近年、奈良公園では観光客と鹿とのトラブルが増加しています。2024年の統計によると、年間約200件の軽微な事故が報告されており、その約40%が外国人観光客に関連するものです。
この記事では、誰もが安全に奈良公園の鹿と触れ合えるよう、具体的な注意点とマナーをご紹介します。
そもそも鹿は日本中に生息していますが、そのほとんどは野生で、人を見ると恐れから逃げます。
奈良公園のように触れ合うことはほぼ皆無ですね。
奈良公園の鹿は一般的な野生の鹿とは異なると覚えておいた方が良いです。
■事故防止の基本知識
奈良公園には約1,200頭の鹿が生息しています。
そして、奈良公園の広さは約502ヘクタール(5.02平方キロメートル)です。
例えば、東京ドームの敷地面積は約4.7ヘクタール。
比較すると、奈良公園の広さは東京ドームの約107個分に相当します。
もちろん、途中には交差点もありますし、出店なども存在します。
youtubeなどでは、鹿が信号待ちをしている姿が紹介されたりしますが、生まれてから一生を奈良公園で過ごすのですから、様々な仕組みを目の当たりにしながら生きていると言えます。
野生動物である鹿は、時として予期せぬ行動をとることがあります。
特に、繁殖期(9-11月)は普段以上に警戒が必要です。
雄の鹿は雌に対してアピールすため、時々、鳴き声を出します。
そのような光景をみたら近づかないようにしましょう。
【重要】鹿による主な事故原因
・不適切な餌やり方
・突然の接近
・写真撮影時のトラブル
・持ち物の管理ミス
では、具体的な10の注意点と対策を見ていきましょう。
1. 正しい餌やり方を守る
▼推奨事項
・公認の鹿せんべいのみを使用
・餌を与える前に軽く頭を下げて挨拶
・鹿せんべいは1枚ずつ見せながら与える
・しかが欲しそうだったらすぐに与えます。
・鹿せんべいの包紙(十字に縛ってあります)は食べてもいいように製造されています。
▼禁止事項
・私物の食べ物を与える
・鹿せんべいを隠す
・複数枚同時に与える
・鹿せんべい以外のお菓子や、チラシなどの紙は絶対に与えてはだめです。
食べた鹿は消化できないため、体内に蓄積することで死に至ります。
2. 適切な距離を保つ
・基本的な安全距離:2メートル以上
・子連れの鹿には特に注意(5メートル以上)
・小さな子鹿に人が執拗に触ると、人の匂いが付いてしまい、親鹿は育児放棄をしてしまいます。
その場合の小鹿の行く末は想像できますね…。
・群れに囲まれそうになったら、ゆっくりと開けた場所に移動
3. 写真撮影のルール
・フラッシュ撮影は厳禁
・自撮り棒の使用は控えめに
・鹿の後ろからの接近は避ける
・子鹿との撮影は避ける
4. 持ち物の管理
・食べ物は密閉された鞄に入れる
・貴重品は内ポケットに収納
・ビニール袋や紙袋は持ち歩かない
・長いストラップや装飾品は避ける
5. 子供との観光時の注意点
・常に手をつないで歩く
・抱っこでの観光を推奨
・鹿を追いかけさせない
・大声を出さないよう注意
6. 緊急時の対応方法
▼攻撃的な鹿に遭遇した場合 ・その場で立ち止まる ・目を合わせない ・ゆっくりと後退する ・防御姿勢をとらない
7. 季節別の注意事項
▼繁殖期(9-11月)
・オスジカに近づかない
・子鹿への接触を避ける
・特に朝夕の時間帯は警戒
▼夏季
・鹿の体調悪化に注意
・日陰で休む鹿に接近しない
8. 適切な服装選び
・派手な色は避ける
・ヒラヒラした装飾のない服装
※鹿が口ではさんで引っ張ることもあります。
(その場合は転倒する危険もあります。)
・長いスカーフやストールは危険
・サンダルよりスニーカーを推奨
9. 団体での観光マナー
・小グループに分かれて行動
・列を作って移動しない
・声量に注意
・集合写真は開けた場所で
10. トラブル発生時の対処法
▼緊急連絡先
・奈良公園管理事務所:0742-22-0375
・奈良警察署:0742-XX-XXXX (何か所もあります)
・奈良観光案内所:0742-27-2223
※くれぐれもイタズラ電話はやめましょう。
■安全チェックリスト
観光前の確認事項:
□適切な服装の確認
□持ち物の整理
□緊急連絡先の保存
□天候の確認
□観光ルートの確認
まとめ
奈良公園の鹿との触れ合いは、正しい知識とマナーがあれば、安全で素晴らしい思い出となります。この記事で紹介した10の注意点を意識することで、鹿とのトラブルを未然に防ぎ、楽しい奈良観光を実現できます。
近年、外国人の観光客が増え、鹿に対する虐待が注目を浴びるようになってきました。
市議の「へずまりゅう」氏が鹿に対する虐待を見かねて、個人的にパトロールをするようになり、その実態が次第に知られるようになってきました。
また、中国のマスコミにも中国の国内で話題となったようです。
そもそも、日本人なら鹿に対する虐待は皆無だと断言できます。つまい、日本人にとって奈良は歴史的な意味合いが強く、悪戯などをしようとも思わないでしょう。
海外からの観光客には日本をリスペクトしてマナーを守る方も多いと思いますが、一部、心無い方も目立つようになってきました。きちんとマナーを守って欲しいものです。
※本記事は奈良公園管理事務所監修のもと、2025年9月時点の情報を元に作成しています。
コメント